トランペット修理事例01

トランペット修理事例①

トランペット修理事例①

 

要望:だいぶ使い込んだので悪いところがあれば直してほしい

主な作業内容:洗浄とピストン調整

修理代金:10500円(税抜)

所要日数:1日~2日

 

各所チェック

  1. ピストンの動き
  2. 抜差管の動き
  3. ハンダ外れの有無
  4. 管体の凹みがあるか
  5. 管内の汚れ具合 etc.

 

全分解

ネジを緩める事で分解する事ができる所までです

(ハンダを外したりすることは、ありません)

 

洗浄(緑青やカルシウム除去も実施)

4000円(税抜)

緑青やカルシウムとは・・・通常の洗浄(スポンジやブラシ等に中性洗剤をつけて洗う事)をしても取れない汚れ。

マウスパイプを洗った後に中を覗くとポコポコ内壁に見える汚れがあれば、それが緑青やカルシウムです

 

ピストン調整

1500円×3・・・4500円(税抜)

 

今回は、ピストンを斜め押しをしたときに戻りが悪かったので実施。

 

ピストン調整とは・・・ピストンの押し心地や戻りが悪い等の不具合を直す事。

ピストンの動きが悪くなる主な原因・・・ピストンの曲がり、ケーシング(ピストンの受け)の変形、ピストンやケーシングの傷等いろいろな原因が考えられます。原因を見逃してやっつけ仕事(ピストンに曲がりがあるのにピストンやケーシングを削ってしまう等)で作業すると、根本的に直らないばかりかピストンとケーシングのクリアランス(隙間)が広くなり息漏れを起こして吹奏感が極端に悪くなったり、ピストンが傾く事で動きが悪くなる事を完全に直せなくなる場合があります。

 

ピストンフェルト交換

ピストンフェルトが古くなって薄くなるとピストンの孔とケーシングの孔がズレてくるので吹奏感が悪くなります。

 ピストンフェルト・・・ケーシングの中に入っているピストン軸に付いているフェルト

 

ウォーターキィコルク交換

轍の跡が強くなると特定の音だけ音抜けが悪くなったり、音程が悪くなったりする事があります。

ウォーターキィコルクは、簡単に交換する事ができるので定期的に交換することをお勧め致します。持っておくと何かと安心なので2,3個持っておくと良いでしょう。(本番直前にみんなのヒーローになれるかもしれません)管楽器を取り扱っている楽器屋さんに行けば、たぶん売ってもらえると思います。

ただし、違うメーカーのものを使うことは、やめた方が良いです。(緊急時は、しょうがないですが)見た目がほとんど一緒でも、硬さや材質が違います。吹奏感が、意外と変わってしまいます。

Bachよりヤマハの方が安いのでBachにヤマハのコルクを使ってしまう楽器屋さんもありますが・・・

 

主管抜差管(メインチューニング管)と3番抜差唾抜き管の嵌合調整

抜差具合をきつくもなく緩くもなくする作業

1000円×2・・・2000円(税抜)

今回は、スカスカに緩いので内管を膨らませる。

 

主管抜差管が緩いとダメな訳・・・グリスを粘度の高いものにしないと息漏れを起こします。主管抜差管のグリスの種類は、吹奏感にすごく大きな影響があります。

例えば、ヤマハのグリス(ソフトタイプ)よりセルマーのチューニングスライドグリス(通称イチゴジャム)の方が、吹奏感が重たい等。(私の吹いた感想です)

グリスには、いろいろな種類があります。(通常楽器屋さんが使わないものまで)ご希望があれば、ご使用の楽器やお客様にとってどんな種類が合っているかご提案致します。

 

3番抜差唾抜管が緩いとダメな訳・・・3番ピストンを押さずに抜差管を戻すと(あまりやらない方が良いです)唾抜き管が飛んでしまう。

楽器屋さんによっては、嵌合調整をせずに内管を曲げて飛ばないようにしている場合もあります。当工房では、その様な誤魔化しをするのが嫌なので内管をまっすぐにした状態で嵌合調整をしてます。(息漏れの防止にもなります)

 

吹奏チェック

 

※事前にご使用のグリスとオイルを伺います。極力ご使用のものを塗布して納品致します。